
vol.439(発行日: 2018年1月1日)
校友スポットライトでは、最前線で活躍する校友を紹介。
現在の仕事のことをはじめ私生活や学生時代のエピソードなどをお聞きしました。
大阪工業大学大学院・電気電子工学専攻・平成14年修了
マイクロンメモリジャパン株式会社
Fab15 PEE CIE Manager
山田 丈
さん

大阪工業大学の学生たちの就職先として人気が高い、半導体メーカー「マイクロンメモリジャパン」。日本で唯一のDRAM専業メーカーであり、優秀なOBたちが何人も活躍している。そのなかのお一人、昨年2月に立ちあがったばかりの新部署で、挑戦しつづける山田丈さんにスポットを当てた。

半導体業界をけん引するメーカーで活躍
広島県東広島市。のどかな風景の中に一際目を引く工場群がある。マイクロンメモリジャパンは、スマートフォンなどに使われる最先端の半導体を製造するメーカー、マイクロン・テクノロジー傘下の日本法人。山田さんは同社の広島工場で、生産技術部の業務改善に取り組む部署のマネジャーを務めている。「技術者として十分な経験を持ち、多角的に物事を捉えるのが得意。自ら動きながら人も動かす能力に優れている彼は適任」とその仕事ぶりに先輩も太鼓判を押す。

試行錯誤の中で働きやすさを追求
山田さんに与えられたミッションは、約千人いるエンジニアたちの仕事をよりスマート化して業務効率を上げること。「生産技術部は毎日忙しく残業が多い部署。一つ一つの仕事を見ると意外とアナログで地道な作業もあります。仕事にスピードが求められるこの業界においては、少しでも仕事の効率を改善し、働く環境を良くすることが会社の成長には不可欠です」。
成果が表に見えにくい仕事だが、山田さんは常に問題を探し求め、新しい方法を提案し続ける努力を怠らない。真摯な姿勢が信頼を生み、最近は直接相談に来てくれる社員も増えてきた。「僕らの役割や期待がだんだん大きくなっていると実感しています」。
原点は恩師の教えとトライアスロン
大学院時代は小寺先生(現副学長)の指導を仰ぎ、半導体の微細加工についての研究にまい進。応用物理学会では名だたる企業に交じって学会発表にも挑戦した。けれども卒業後の就職先はフォークリフトの製造を手掛けるTCM株式会社(現ロジスネクストユニキャリア株式会社)と、研究とは異なる分野を選んだ。「幼少期からラジコン好きで、大学では電子機器の設計などを学びたいと電子工学科に進学しました。社会人になってもその道で働きたい気持ちが強くTCM株式会社に就職したのですが、縁あって今の会社の前身であるエルピーダメモリ株式会社に転職しました」。
学業と同じく懸命に取り組んだのがトライアスロン。「トレーニングのために自宅から大学までの往復50キロメートルを自転車で通い、淀川沿いを走って昼寝をし、そして研究をする生活をずっと続けていました」。小寺先生から叩き込まれた物事を理論的に考える力と、トライアスロンで培った根性と体力が今の仕事に生きている。

元気ある優秀な人材を求めていきたい
エルピーダメモリがマイクロンに吸収されてからは、社内に吹く風が大きく変わった。「昔はみな保守的でなかなか新しいことにチャレンジしなかったのが、今は会社が背中を押してくれます。とりあえず行動を起こすことが大事だと考え方が切り替わりました」。大阪工大を卒業したみなさんも何事も失敗を恐れず自分を信じ、チャレンジしてほしいとエールを送る。
山田さんの夢は、会社を業界ナンバーワンにすること。そのためには優秀な新しい人材がまだまだ必要だという。「我こそはと思う方、ぜひ一緒に働きましょう!」。