へい、らっしゃい!

vol.455(発行日: 2026年2月25日)

このコーナーでは個人事業主としてさまざまな業界で活躍しておられる卒業生のお仕事をご紹介します。

いちき農園

代表

市来 保

さん

(大阪工業高等専門学校 建築学科 1970年卒業)

大阪工業高等専門学校建築学科を卒業し、大阪で40年にわたり設計・施工の会社を切り盛りしてきた市来さん。「新しいことに挑戦してみたい」という気持ちがふくらみ、たどり着いたのが養鶏業でした。会社経営に一区切りをつけて生まれ故郷の鹿児島県に戻り、10年前から山あいの自然豊かな地で鶏たちと向き合う暮らしを続けています。今回は伊佐市にある市来さんの「いちき農園」を訪ねました。

平飼い、薄飼い、餌にこだわる

鹿児島県の人気スポット「曽木の滝」から車で約3分、木々に囲まれた静かな場所に「いちき農園」はあります。草木が生い茂った荒地を自ら開墾した敷地には、いくつもの鶏舎が並び、そのうち2棟は市来さんの手づくり。30羽から始まった養鶏も、今では800羽まで規模が広がりました。
独学を重ねた飼育方法は、鶏が地面の上を自由に動き回れる「平飼い」で、1羽あたりのスペースをゆったり確保する「薄飼い」が基本。ストレスの少ない環境で育った鶏からは風味豊かな卵が産まれます。特に味の決め手となるのは、無農薬・有機栽培の自家配合飼料です。3年かけて配合を研究し、地元で栽培、収穫された米とトウモロコシを中心に魚粉など12種類ほどをバランスよくブレンドしています。

旨みが広がるレモン色の卵

「最初は売り先がなく、残った卵はカラスにあげていた」と市来さん。地元の直売所での販売をきっかけに口コミで評判が広がり、今では伊佐市のふるさと納税返礼品にも選ばれ、全国の方から愛されています。
殻を割ると現れるのは、鮮やかなレモン色の黄身。臭みがなく旨みが強いのが特徴で、「不自然なことはしていないため、安心して食べられます」と太鼓判。ヒビが入るなどして売り物にならない卵は、子ども食堂やフードバンクに寄付をしているそうです。
市来さんの今後の夢はラーメン屋を開くこと。「うちの鶏ガラでスープを取った鶏白湯ラーメンは絶対うまいと思うんだよ」と笑顔で話してくれました。

色が美しく粒が揃った卵を選りすぐり、化粧箱に詰めた「伊佐の雫」も贈答品として人気です

いちき農園

〒895-2525 鹿児島県伊佐市大口下殿瀬の上1729-18

https://www.city.isa.kagoshima.jp/politics/plan/furusato/

「健康な鶏が産んだ卵を食べてこそ、人も心と身体の健康を育める」を胸に、毎日鶏たちに愛情を注いでいます。丹精込めた卵は、各ふるさと納税サイトまたは「ホテル京セラ」(鹿児島県霧島市)内売店などでお買い求めいただけます。