へい、らっしゃい!

vol.456(発行日: 2026年8月20日)

このコーナーでは個人事業主としてさまざまな業界で活躍しておられる卒業生のお仕事をご紹介します。

篠原テキスタイル株式会社

代表取締役社長

篠原 由起

さん

(大阪工業大学 工学部 経営工学科 2005年卒業)

江戸時代には備後絣の一大産地として栄えた広島県福山市。藍染や織りの伝統技術を礎に、現在では国内有数のデニム産地へと発展しています。まもなく創業120年を迎える「篠原テキスタイル」は、福山デニムを牽引してきたデニム生地製造メーカーです。その5代目を務める篠原由起さんは、大阪工業大学工学部経営工学科を卒業後、紡績会社勤務を経て家業を継ぎ、経営に勤しむ傍ら、地域の活性化にも力を注いでいます。

有名ブランドも高く評価するデニム生地

広い工場にずらりと並ぶ年代物の織機たち。平日は24時間休みなく稼働し、ガシャン、ガシャンとリズムよく音を奏でながらデニム生地を織り上げていきます。同社がデニム生地の製造を本格化したのは1970年代。柔らかく軽いテンセル生地の生産では国内トップクラスを誇っています。約20年前までは下請け生産が中心でしたが、篠原さんはテンセルやレーヨンの生地づくりで培った技術を生かし、自社製品の開発にも積極的に取り組み始めました。ショールームには常時800種類以上のデニム生地が展示され、中にはカシミヤを織り込んだ珍しい高級品も。オーダーメイドの生地づくりでは綿選びから行い糸を企画するなど、ブランドの多様な要望に柔軟に対応しています。

カシミヤを織り込み、洗いをかけて柔らかな風合いを高めたオリジナルデニム生地

地場産業への愛着を次世代へつなぐ

急速に進む職人の高齢化と人口減少による働き手不足の解消に、さまざまなアイデアで挑んでいる篠原さん。地元のサッカークラブ「福山シティFC」のオフィシャルデニムパートナーとして移動着のデニムジャケットとジーンズを製作したり、市内公立小学校の新1年生約3,400人にデニムトートバッグを贈呈したりと、地場産業への愛着を育む活動に励んでいます。篠原さんは「小学生たちは体操着などを入れて6年間愛用してくれています」とにっこり。福山シティFCの移動着もネットニュースに取り上げられ注目を集めました。先代から受け継いだ固定観念にとらわれることのない
自由な発想で、これからも挑戦を続けていきます。

篠原テキスタイル オンラインストア

https://shinotex.buyshop.jp/

篠原テキスタイルではジーンズなどアパレル製品の製造・販売は行っていませんが、オンラインストアで靴下やキーホルダーなどのアップサイクル品を取り扱っています。こだわりが詰まった逸品が揃っているので、ぜひチェックを。